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認定看護師を目指す!

看護師のスキルアップと言うと、まず思いつくのが認定看護師の資格取得ですね。認定看護師の取得前に必要な経験や、どんな教育を受けなければならないのかなど、資格取得までの流れをご紹介します。また、認定看護師の分野の種類や内容、資格を取得して活躍している看護師さんの人数を一覧にまとめました。

認定看護師とは…

認定看護師とは、日本看護協会が策定した資格の一つであり、21の分野が特定されています。認定看護師制度は、特定分野における看護のエキスパートである認定看護師を社会に送り出し、高度化・専門分化が進む医療現場での看護ケアの質の向上を目的としています。認定看護師制度は1995年からスタートし、認定分野、登録者数ともに順調に増加し、2015年には1.5万人に達しました。(21分野合計)
認定看護師の役割は、「実践・指導・相談」です。自ら高い水準の看護ケアを提供するだけでなく、そのほかの看護師に対し看護技術の指導、さらには業務上でのコンサルテーション(専門家による専門家への相談)を行いします。認定看護師の資格を得るたには、一定期間の実務経験と認定看護師教育機関での専門教育課程を修了し、認定審査を合格する必要があるため、厳しい道のりではありますが、看護師のキャリアアップ、専門性を高めるために挑戦してみてはいかがでしょうか。

認定看護師の資格を取得するには!

一定期間の実務経験が必要

認定看護師の資格を取得するためには、実務経験が5年以上必要であり、そのうち通算3年以上は、取得を希望する認定看護分野での実務経験が必要となります。また、多くの認定分野において、希望する認定看護分野での看護ケース実績を5例以上求められています。認定看護師になりたいと考えている方は、希望する分野での経験が積めるよう職場、配属希望を考えましょう。この実務経験年数をクリアして初めて、認定看護師教育機関を受験することが可能となります。教育機関での専門課程を修了した後に、認定審査を合格する必要がありますが、実務経験を積むことが資格取得のための第一歩となりますので、配属を希望する際にキャリアプランを考えておくことが必要です。

決められた教育課程を修了する

認定看護師教育機関に出願し、合格しましたら、認定看護師専門教育機関にて、6ヶ月(615時間)以上の授業を受講することが可能となります。教育機関により、開講している時間帯や開講時期、さらには開講分野や費用まで様々です。平日のお昼に開講しているケースと、週末にのみ開講されるケースがあり、週末にのみ開講されている教育機関であれば、仕事を継続しながらでも受講は可能です。しかしながら、平日のお昼に開講されている場合は、長期出張の扱い等で仕事を休んだり、休職もしくは仕事を辞める例も多いようです。また、分野によって全国で教育期間が1か所しかない場合もあれば、奨学金制度を教育機関が設けている場合もございます。キャリアのどのタイミングで受講できるのか、通学範囲内なのか等は自分の人生設計に大きく関わってきますので、開講分野や開講スケジュール、費用等は受験前に確認しましょう。認定看護師の専門教育課程を修了したら、最後は認定審査を受験し、合格するのを残すのみです。

認定看護師資格取得までのステップ

STEP.1

看護師免許を取得

STEP.2

実務経験通算5年以上
※うち通算3年以上は特定分野での経験
その後、教育機関専門教育課程入学、修了
※6か月以上・615時間以上の専門教育

STEP.3

認定審査受験・合格
※認定後も、5年後ごとに更新のための書類審査は必要

認定看護師の認定分野一覧

認定看護師の分野は全部で21種(2015年09月現在)あります。登録者数は1.5万人(2015年09月現在)もいますので、すでに働いている認定看護師の話を参考にしてみてはいかがでしょうか。各分野の認定看護師には、専門性・質の高い看護の提供は勿論のこと、看護技術の指導や業務上のコンサルテーションまで求められています。

認定分野

2015年現在、認定看護師の認定分野は多数あります。多くの認定分野の中に、自分の興味の持てる分野があるかもしれません。またこれからの医療ニーズに従って、さらなる分野の細分化がすすむ可能性もあります。認定看護師を目指すことは、自分のキャリアにおいて高めていきたい専門性を明確にするよいきっかけになるかもしれません。

特定分野一覧

分野 人数(2015年現在) 知識・技術
救急看護 1,021人 救急外来にて、患者の病態に応じて迅速かつ、患者の苦痛を最小にする救命看護技術を提供します。また、不安な状態にある患者家族へのケアも期待されます。災害発生時の急性期医療の担い手としての活躍も期待され、トリアージは非常に重要な能力となります。
皮膚・排泄ケア 2,166人 創傷管理や、ストーマ・排泄ケアにおいて、高い看護技術を提供します。入院患者の創傷管理では、他の医療従事者を含むチームをまとめるリーダーシップも求められ、ストーマ・排泄ケアでは、入院患者だけではなく、退院後の外来ケアまで行います。
集中ケア 1,033人 ICUにおいて、重篤患者の急変しやすい病態の変化を予測し、さらなる重篤化を予防する役割を担います。また廃用症候群予防・早期回復を目的とした離床促進やリハビリテーション介入に関わり、一般病棟おいては体位管理や口腔ケア等合併症予防のケアも行います。
緩和ケア 1,849人 疼痛や全身倦怠感等の苦痛状況を緩和ケアを提供します。リンパドレナージや、口腔ケアも含まれます。また、患者家族の喪失や悲嘆に対するケアも、緩和ケアの看護師の重要な役割となります。さらには、緩和ケアがチームと患者の良好なコミュニケーションの基礎を築くことに繋がります。
がん化学療法看護 1,384人 抗がん剤の種類は多岐にわたるため、各抗がん剤の特性を理解し、安全な取扱いと適切な投与管理を行います。また、化学療法による副作用症状の緩和や、それら副作用の症状や発生メカニズムを理解し、効果的なセルフケアを行えるようなサポートケアも重要な役割です。
がん性疼痛看護 769人 がん性疼痛は身体的な痛みだけでなく、精神的、社会的な痛みを統合した痛みであり、それらに対し適切な投与管理や、疼痛緩和ケアの介入を行います。がん性疼痛を有する患者に対して、苦痛を取り除くことでQOLを高められるようにケアを提供します。がん性疼痛にフォーカスしている点が、緩和ケア認定看護師と異なる点です。
感染管理 2,317人 感染管理組織の構築や、適切な感染予防策・感染発生後の対策に関わる組織・チームの中心的な役割を求められます。組織の大きな活動として、院内の状況を把握するためサーベイランスを実施や感染対策マニュアルの整備は勿論のこと、感染予防技術の普及や感染予防教育、感染問題に関する相談等も役割に含まれます。
糖尿病看護 775人 糖尿病患者の血糖管理ケアや、糖尿病足病変予防のためのセルフケア指導が求められています。糖尿病は合併症として発症している場合も多く、複数の病棟にわたるケアも必要となります。また慢性疾患であるため長期的なケアの提供が必要であり、さらに近年糖尿病は増加傾向にあるため、糖尿病看護認定看護師の役割は大きくなっています。
不妊症看護 150人 不妊症に悩むカップルへの看護を提供します。不妊症治療は不確実なものなので、カップルの納得した自己決定が大切であり、その自己決定までのカウンセリングと支援が重要な役割です。また専門外来では、様々なレベルで心身の不調をきたしている患者がいるので、トリアージをしてレベルにあった看護ケアを提供する必要があります。
新生児集中ケア 366人 新生児集中治療室にて、新生児の急激な病衣大変かを予測し、重篤化の予防ケアを行います。また、新生児の神経発達や知能発達に応じた看護技術の選択と応用により、新生児の生理学的安定と発育促進を支援します。さらに、両親を視野に入れた親子関係形成の支援(母乳育児支援等)も重要です。
透析看護 206人 腎不全に対する透析治療の管理ケアを行います。慢性腎臓病の場合、生涯療養が必要なため、セルフケアと自己決定の支援が重要な役割となります。また、透析室以外の腎不全患者が増えてきているため、透析患者以外の知識・看護技術も必要となってきています。
手術看護 399人 周術期における看護を主知的に行うのが手術看護認定看護師です。手術における麻酔や侵襲による心身への負担を最小限に抑え、二次的合併症を予防するための安全管理は非常に重要な役割です。
訪問看護 500人 在宅療養者の個別的なケースに応じたケアを求められます。訪問看護は主に看護師単独で行うので、問診やバイタルサイン、細かな動きなどから医師へ的確に情報を提供する必要があります。また訪問看護以外の時間の患者のことを考慮した、セルフケアの支援も重要な役割です。さらに、在宅ターミナルの場面では、緩和ケアの基本知識を備えている必要はあり、在宅ケアチームの中心的な役割を担うことを期待されています。
乳がん看護 283人 乳がんは、がんそのものだけでなく、治療による身体的・精神的な苦痛が多大です。乳房を温存できなかった場合、ボディイメージの変容に対する心理的サポートは認定看護師の重要な役割となります。主に外来にて、患者のセルフケアと治療方針の自己決定を支援するため、一番距離が近い存在であり、多職種との連携を取るチーム内での推進的役割を担うことを期待されています。
摂食・嚥下障害看護 595人 摂食・嚥下機能を評価し、適切な訓練・看護を提供します。機能低下が生じているので、栄養低下や嚥下性肺炎等の予防は、評価や訓練以外で重要な内容です。また、NSTチームや口腔がんリハビリテーションチームでの重要な役割を担います。患者が人間らしく口から食べることで、QOLの向上にもつながります。
小児救急看護 228人 救急外来にて、小児患者の病態に応じた看護技術を提供します。また、救急外来の中に紛れ込んでいる重症小児患者のための院内トリアージや、不安な状態にある患児の家族へのケアも求められます。さらには、虐待や育児不安の可能性もあるので、広く育児支援の観点も踏まえた上での援助が非常に重要です。
認知症看護 653人 認知症患者へのケア、また認知症に伴う複数の障害の緩和・予防が求められます。認知症の進行に伴う臨床症状の変化を見逃さず、進行段階を適切に評価し、ケアと療養環境の調整を行います。また、認知症に伴う行動障害や心理障害の予防・緩和は非常に重要です。認知症患者は近年増加しているため、幅広いニーズがあります。
脳卒中リハビリテーション看護 583人 超急性期や急性期の脳卒中患者は、急激な病態変化が起きるので、変化を予測し重篤化を予防する必要があります。また、廃用症候群予防や早期回復のために早期離床・早期リハビリテーションも求められています。さらに、生活再構築のため、病期に応じた機能回復支援や社会資源に関する情報提供も重要です。
がん放射線療法看護 200人 がん放射線治療の過程において、患者や患者の家族へ負担となる身体的、心理的な問題に対して、看護ケアを行います。放射線治療による副作用症状(急性障害、晩期障害)の緩和やセルフケア支援を行います。特に化学療法等との併用では、関係医療者との調整が必要となります。
慢性呼吸器疾患看護 220人 COPDなどの慢性呼吸器疾患患者を対象に、安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸機能評価や呼吸機能改善を目的とした看護を提供します。さらに、社会復帰のためADL拡大を目指す呼吸リハビリテーション、急性増悪の予防、セルフケア能力向上の指導が重要な役割です。
慢性心不全看護 238人 慢性心不全患者の心不全増悪因子を、安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた評価・モニタリングした上で、身体機能の回復促進、心不全増悪の回避・予防のためのケアを行うほか、患者の生活調整を支援し、自己管理能力を高めるための指導を担います。